子どもの睡眠不足はなぜ増えている?

エビデンス

「子どもがなかなか寝ない」
「朝起こしても機嫌が悪い」
「寝る時間がどんどん遅くなっている」

そんな悩みを感じるパパママは多いのではないでしょうか。

子どもの睡眠不足は、単に「夜ふかししているから」だけで起こるものではありません。現代の生活環境そのものが、子どもの睡眠リズムを乱しやすくなっています。

子どもに睡眠が大切な理由

睡眠は、体を休めるだけの時間ではありません。子どもにとっては、脳や体の発達感情の安定集中力生活リズムを整えるためにとても大切な時間です。

厚生労働省の「健康づくりのための睡眠ガイド2023」では、睡眠不足は子どもの肥満リスク、学業成績の低下、心の不調などと関係することが示されています。

つまり、睡眠は「成長の土台」といえる生活習慣です。

なぜ子どもの睡眠不足が増えているの?

1. 生活が夜型になっている

現代は、大人の生活が夜型になりやすい時代です。仕事の帰宅時間が遅い夕食やお風呂の時間が遅い夜にテレビや動画を見るなど、家庭全体の生活時間が後ろにずれやすくなっています。

特に小さな子どもは、保護者の生活リズムの影響を強く受けます。パパママの生活が遅くなると、子どもの寝る時間も自然と遅くなりやすいのです。

2. スマホやタブレットの影響

スマホ、タブレット、テレビなどのデジタルメディアも、睡眠不足の大きな要因です。

幼児を対象にした研究では、スマートフォンや携帯電話を使う子どもは、使わない子どもに比べて、就寝時刻や起床時刻が遅くなる傾向が報告されています。

寝る前の画面の光は、眠気を促すメラトニンの働きを妨げやすくなります。また、動画やゲームは刺激が強く、子どもの脳が興奮して寝つきにくくなることもあります。

3. 朝の光を浴びる時間が少ない

睡眠リズムを整えるには、朝の光がとても大切です。

朝起きて太陽の光を浴びることで、体内時計がリセットされます。反対に、朝起きる時間が遅い、休日に昼近くまで寝る、午前中に外へ出ない生活が続くと、夜に眠くなる時間も遅くなりやすいです。

「早く寝かせたい」と思ったら、まずは早起き朝の光を意識することが大切です。

4. 日中の活動量が減っている

日中に体をしっかり動かすことも、よい睡眠につながります。

最近は、外遊びの時間が減り、室内遊びやスクリーンタイムが増えています。体を動かす時間が少ないと、夜になっても眠りに入りにくいことがあります。

公園遊び、散歩、鬼ごっこ、ジャンプ遊びなど、特別な運動でなくても大丈夫です。日中に楽しく体を動かすことが、夜の眠りを助けてくれます。

今日からできる工夫

子どもの睡眠を整えるために、まずは次のようなことから始めてみましょう。

  • 朝はカーテンを開けて光を浴びる
  • 朝食を食べる
  • 日中に体を動かす
  • 寝る前のスマホやタブレットを控える
  • 寝る前の流れを毎日同じにする

いきなり完璧を目指す必要はありません。まずは「寝る前30分は画面を見ない」「朝は同じ時間に起きる」など、できることからで十分です。

まとめ

子どもの睡眠不足が増えている背景には、夜型の生活、スマホやタブレット、朝の光不足、日中の活動量低下などがあります。

子どもの睡眠は、心と体の成長を支える大切な土台です。

「早く寝なさい」と叱るよりも、眠りやすい生活リズムを家族で整えていくことが大切です。
まずは、朝の光・日中の運動・寝る前のスマホ時間を見直すところから始めてみましょう。

参考文献

  1. 厚生労働省. 健康づくりのための睡眠ガイド2023.
  2. 亀井雄一, 岩垂喜貴. 子どもの睡眠. 保健医療科学. 2012;61(1):11-17.
  3. 中西朋子ほか. 5・6歳の幼児におけるスマートフォンや携帯電話の使用と起床時刻、就床時刻、就寝時刻との関係.
  4. 大久保圭介ほか. 乳幼児期の子どものデジタルメディア使用時間と睡眠,および情緒や行動の問題の縦断的関連. 発達心理学研究. 2023.
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