
「うちの子、よく転ぶけど大丈夫?」「バランス感覚ってどうやって育つの?」そんな疑問を持っていませんか?
実はバランス能力は、赤ちゃんのころから発達が始まり、運動の基礎になるとっても大切な力なんです。
🍼 バランス能力は0歳から育ち始めている
赤ちゃんは、生まれてすぐに頭も体もグラグラ。でも、寝返り、ずりばい、ハイハイと成長する中で少しずつ“自分の体を支える力”が育っていきます。
長崎大学の研究(森脇ほか, 2020)によると、「ハイハイ」は体幹の安定や左右のバランスをとる力、さらには空間認知にも影響する動き。つまり、ただの移動手段ではなく「バランスを整える練習」にもなっているんですね。
🚶♂️ 幼児期はバランス力の急成長期!
3歳ごろになると歩いたり、走ったり、片足立ちをしたりと、いろんな動きができるようになります。
文部科学省の報告(安井ら, 1995)では、3歳から6歳の間にバランス能力がグッと伸びることがわかっています。この時期に「平均台を歩く」「ケンケンパ」など、楽しく揺れる体験をたくさんすることで、転びにくい体が作られていくんです。
また、女の子の方が静かに立っているバランスはやや得意で、男の子は動きながらのバランスに強い傾向があるそうですよ。
🎯 どう育てる?家でできるバランス遊び
バランス力を育てるには、わざわざ特別な練習をする必要はありません!おうちで楽しくできることがたくさんあります。
0〜1歳ごろなら…
- 親子で一緒にゴロゴロ遊ぶ
- ハイハイで追いかけっこ
- ふかふか布団の上でバランス遊び
2〜4歳ごろなら…
- 片足立ちチャレンジ!
- クッション道を歩く
- トランポリンや平均台ごっこ
こうした“ちょっと不安定な環境”を経験することで、自然とバランス能力が鍛えられていきます。
✨ バランス力が育つとこんないいことも!
バランス力は転びにくいだけじゃなく、「運動が好きになる」「集中力が育つ」「姿勢がよくなる」など、たくさんのメリットがあります。
最近の研究(大村ほか, 2014)でも、バランス感覚が他の運動能力と関係していることがわかっています。つまり、運動神経の“土台”なんです。
📚 参考文献
- 森脇香奈子ほか(2020).乳児の四つ這い~発達における動作の効率化について~,長崎大学大学院リハビリテーション学領域紀要,16巻
- 安井利一ほか(1995).幼児期における静的および動的平衡性の発達と性差,体育学研究,40(2): 113–123
- 大村誠ほか(2014).ソフトバランスバーを用いた幼児の動的平衡能力の評価,発育発達研究,56(4): 356–361
💬 まとめ
「バランス感覚」は才能ではなく、遊びの中でどんどん育てていけるものです。おうち時間や公園遊びを通じて、グラグラする体験をたくさんさせてあげてください。
「転ばない力」を育てることは、子どもの“生きる力”を育てることにもつながっていますよ!